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カミノ⑤ セブレイロ CALBOR PORTMARINE (2004/11/7-11/9) [うちゆう宇宙の旅]

<セブレイロ> カミノ巡礼路でセブレイロは昔からの難所で、ヴィラフランカではどうしても越えられない巡礼たちは この峠を越える前に巡礼を果たしたと認めていたとも。小指がふくらんで腫れている。朝早くだが、近くに巡礼向けの医療サービスがやっているということで行ってみる。大きい荷物を峠の上の商店に届けられるらしいので、とりあえず1日かけてでも登ってみることにした。病院に行ってみると、日曜日の朝早くから開けてくれたのはありがたかったが、小指を見るなり大きい絆創膏をペタと貼られて OK だいじょうぶ!とのことで唖然。まぁいいさ。荷が軽くなっているのだし。

道はしばらく高速道を仰ぎ見るなどして舗装道路を歩くが、古い家を横に見て、川に架かる橋を渡って山道に取り付くとしだいに坂が急になり、牧草地が広がって周りの山々が展望できるようにある。

上の方で、前日も会ったスペイン人老夫妻に再会した。奥さんは両手にステッキをついているが、二人とも本当に仲が良さそうで微笑ましい。山道で助かる水場が多くある集落を過ぎる。世紀前から続いていたかもしれないケルト人集落である。

峠に登りつく前に、ガリシア州へ州境を越えて、僕はあまり感慨がなかったのだが、スペイン人たちはゴールのある最後の州ということで大喜びしていた。山腹をトラバースして歩くようになると車道を合わせてセルブレイロに。まず、特色ある茅葺きの住居が目を惹く。

 

全て観光用で、みやげショップになっていたりして、観光客が大勢遊んでいる。展示用の一つに入ってみると、原始の暮らしがいかに営まれていたかわかりやすいようになっている。教会を拝して、宿泊するオーベルージュへ。ここは寄付制。人が少ない。後から聞いたが、観光地ですれているから巡礼には人気がないとも。暖炉が嬉しいBARでBOCADINHO(チョリソーサンドイッチ)をかじり、8時で早かったが就寝。

<CALBOR> 一緒に泊まっていた巡礼たちの起床は7時過ぎで早い。40kmを歩くつもりらしい。夜明け前で薄暗かったが、自販のジュースで気合を入れて歩き始める。下りのはずなのに、しばらくは車道沿いで山上を縫うようにして長々と歩く。

足は痛み、追い抜かれるばかりだが、唯一追いついたフランス人は両足をやられているらしく痛々しい。しかし、満面の笑みで挨拶してくれて感銘を受ける。やっと下り始めて、山道をしばらく下ると、山小屋があってそこでベーコンサンドイッチで朝食。カフェコンラテの大きいサイズが嬉しい。ここで後から来たグループにいた日本人女性に声をかけられ2週間ぶりに日本語を使う。さきほどのフランス人が「よく覚えていたな」とからかってきた。彼女はフランスから1000kmも歩いてきたらしい。若い。すごい。足の調子はいまだいまいちだったが、TRIUCASTELAにとぼとぼ長く下り、昼をちょっと回った頃に、小さな集落に雰囲気の良さげなBARがあったのでビールを頼んで昼食を食べていると、後から来た巡礼でたちまち混雑し始め、はじき出される感じで店を出た。ひもとテーピングで足ごしらえをしなおしすと、アルコールが入ったせいもあってか歩けそうだったので、SARRIAまでまだ20kmあったが、ええぃままよ、と先に行くことにする。が、10km過ぎくらいから再び痛み始め、牛の隊列に追い越される。と、ドイツ人のトマス君と会ったので同行する。20歳。8km先のREFUGEEに泊まれるはず、とのことでがんばったがやはりきつかった。やっと到着してみると、全部で5人ほどだったが、後から到着スする巡礼で徐々に小見出し、たちまちベッドがいっぱいになってあふれた巡礼は暗くなったのに先に歩かねばならなくなる始末。ここは周りに売店もなく、食料が調達できなかった僕のために、アメリカ人ケビンが丁寧ににんにくを刻んでトマトソースでパスタを作ったのを分けてくれたたので馳走になる。スペイン人からオレンジもいただく。数日前の彼女にしてもそうだが、同じ巡礼に供するということは大切な功徳なのだと改めて知る。僕などは甘えっぱなしで悪い。

 

ポルトガル人のロドリゲスとも仲良くなった。あんなに巡礼らしい巡礼はいない。リュックの代わりに一人だけずだ袋を背負って歩いていた。写真を撮りたかったが失礼にも感じられて止めた。小さいなからだなのに荷物はズシリとえらく重い。中身を聞くとみんなワインだと言っていた。僕の拙いポルトガル語で、ずいぶん長々と冗談を言い合って話した。日差しの強いヨーロッパでは必需品のサングラスを落としてしまったらしい。安物だったがこの旅のパートナーをやはり寂しい。夜、スペイン人のおばさんが例の小指の腫れたところに糸を針で通してくれた。(看護婦さんでいらしたらしい。それから指はすっかり快方に向かった)

<PORTMARINE> 朝暗いうちに抜け出し、SARRIAの町に出て朝食をとる、新聞を広げてコーヒーを飲んでいると、仕事に行くらしいOLから「読んで分かるの?」なんて聞かれた。サンドイッチの量が多かったので半分を持ち出して歩き始める。曇りで最初肌寒かったが、徐々に雲間から日がさしてきて温かくなってくる。ガリシア州に入って500mおきの道標がはっきりと道を示すようになって、道に迷う楽しみ?もなくなったけど歩きやすくなる。

道も良く整備されているし、両脇には古くから植え込まれていたらしい大樹が風雨から守ってくれている。ベルギー人の女性に追いついてしばらく同行した。18歳と22歳の息子さんがいらっしゃるのだが最近離婚して友人とカミノを歩いている(たしかやはり自宅から)が、サンティアゴに着いたらその先のポルトガルのファティマまで歩くのだという。あのファティマよ、というのでふむふむとうなずいたがそのときは良く知らなかった。しばらくして2人の友人が追いついて興味深そうな視線を集め、挨拶をして別れる。すごい巡礼パワー。3人でフリーな人たちかも。 足の調子も良くて快調に歩いて、昼チョイすぎに大きな川に渡された橋を渡ってPORTOMARINEに入った。

教会を中心にしてアーケードが伸びていてリゾート地ふうに雰囲気が良いのだが、なにせ人が少ないし、寒い。今日はホテルに泊まろうとして、30Eとちょっと高かったので躊躇しながら、いちおう決める前に部屋を見せてもらおうと案内してもらった。いい具合におばさんのお腹が膨らんでいたので「何ヶ月ですか」と聞くと「ただの肥満です」と言われて値切れなくなってしまった。それでも久しぶりの個室とバスとベッドで楽になった。カミノを質素に歩いている人たちにはちょっと後ろめたいが、このような休みはぜひとも必要なのだ。洗濯してしばらく寝て夕方に御飯を食べようと町に出たがとこもやっていない。仕方なく、ホテルのレストランに行くと奥の食堂に通されて一人ぽつんと食事した。魚介スープとメルルーサの揚げ物をいただく。なかなか美味しかった。まぁめでたし。


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