「ブータン仏教から見た日本仏教」など読書録 2006 雨休暇 [本のこと]
◇ここ1週間は雨が多くて、家にいてばかりいました。そんなときに昭和天皇の発言メモのニュース。1988年、靖国神社にA級戦犯が合祀(ごうし)されたことについて、「私はあれ以来、(神社に)参拝していない それが私の心だ」とのこと。ひさしぶりに昭和天皇のお人柄に触れたような気がして、靖国神社に関わるごたごたが氷解したような心持ちです。参拝を国家行事化を進めるムキがあるようですが、国民の心情に沿わない、そうした操作・工夫はされるべきではないでしょうか。
◇22-23日は、伊勢原をいったりきたり。平塚球場では去年に続いて、高校野球を2試合観戦しました。今回は双眼鏡を持っていったので各場面での選手一人一人の表情やベンチの様子や応援団長の不思議な舞いやらをうかがえ見て、試合はそれぞれコールドだったのですが面白かったです。
◇24-25日 BSでチャップリンの特集をやっています。何回も見ているのでストーリーはだいたい覚えているのですが、場面場面で新鮮なシーンがまだまだあります。「モダンタイムス」のティナティナの歌詞は何語でもなかったのですね。
◇昨日、26日は新宿で添乗準備、目白で譜面を買い物した後、錦糸町で森先生に尺八のレッスンしていただきました。「北海盆唄」「ソーラン節」「江差追分」、まわしの特訓。それから、北原ミレイ「石狩挽歌」いいですねぇ。ちなみに挽歌というのは、〔中国で葬送の時、柩(ひつぎ)を挽(ひ)く者が歌った歌をいうところから〕(1)人の死を悼む詩歌。挽詩。哀悼(あいとう)歌。(2)人の死を悲しみ悼む歌。(大辞林)なんだそうです。先生曰く、「風雪」に劣らぬ(尺八)名曲ではないかとのことでした。それから森進一が襟を正して歌う「襟裳(り)岬」ですが、Fが吹きやすいですが、男性のキーに合わせているであろう原曲キーはB♭でちょっと高音が入ってきます。散髪をして茅ヶ崎のぼん蔵という刺身の美味い居酒屋でいずみださんと前打ち合わせして帰ってきました。
◇ヒマにまかせて近所3軒のブックオフをめぐりました。とくに選んで、Wカップ優勝記念・イタリア関係の本を読みました。思えば10代のときミャンマー旅行中にイタリア人グループとトラックバスで同乗したときはあまりに騒がしくて辟易しましたが、コネ社会とか不正・賄賂といった負の面も根強くあるものの、ルネサンスの人間礼賛の系統を引き継いで、日々を、自然に、素朴に、飾らず、(意外に)真面目に、愉快に楽しみ、美しいもの・美味しいものに感動する、愛すべき人たち・人間味あふれる人生スタイルです。彼の地では意に沿わない労働は悪なのです。人生態度も今の日本よりはよほどストイックであります。イタリア流というのがこれからの潮流になるかもしれません(スローフードもイタリア発だったかと)。そのコテコテな個性が世界を魅了し始めているようです。
- 作者: 小林 元
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2002/03 メディア: 文庫
- ○イタリア在住日本人の著作。表などを使って比較がよくまとまっている。
◇ひるがえって、禅的生活もやはりいいです。「般若心経」による色即是空、空即是色では、善悪、美醜等はあるようでないんだということなんだそうですが、要はこだわってはいけません(執着 しゅうじゃく)=気持ちを左右されてはいけません、と達観せよ、とのことのようです。 美しいから・美味しいから、それが即、悪いのだ・いけないことなのだ、と、思って心を動かされるなということではあーりませんか? 人生の楽しさを享受しつつ、仔細にこだわりはしない。両者の両立・並存は可能なのでしょうか。ちんたら考えてみたいと思います。
仏教名言108の知恵―不滅の英知の再発見 現代人の日常の悩み108を解く
- 作者: 松濤 弘道 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 1980/11 メディア: 単行本 △煩雑。字が小さいです。辞書にいいかも。
- 作者: バルバラ ベルクハン
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2000/06 メディア: 単行本(ソフトカバー)
- ○ ヒマだったので、わざわざむかついたことを思い出して鎮めるようにしてみました。ドイツでベストセラーになったらしいのですが、なんだかテクニカルすぎていまいち。
- 作者: 手塚 治虫
- 出版社/メーカー: 潮出版社 発売日: 1993/02 メディア: 文庫
- ○ずっと立ち読みしていて悪いので最終巻だけ買いました。ストーリーはだいぶ脚色されているようですが、ブッダの一生を理解するのにこれはわかりやすい。
- 作者: 今枝 由郎
- 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2005/06/30
- ◎ 昨夏、刊行されたときにチェックはしていたけど、これほどの内容ある本とは。このブログを読んでいただいている全ての方に読んでいただきたい。ここ数年読んだ(日本の)仏教本では秀逸の本。仏教というのは、日本で周知されている内容に収まらず、まだまだその教えは広く深そうだと示されています。
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