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読書録 2006正月 [本のこと]

3が日、じつは、そんなにゆっくりできるとは思っていなかったので、本は1冊しか持って出かけなかったのですが、義妹に借りて何冊か読破しました。そう、彼女は伝統芸能に専門分野を持ちながら実用書もよく読んでいて感心します。旅館の部屋にいても、正月はテレビもつまらないし、パソコンもないので読むのがはかどりました。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学

  • 作者: 山田 真哉 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2005/02/16
  • 利益の出し方・連結経営など会計トピックをわかりやすく説明。自由になるお金の大切さ。「数字のセンス」で、「50人に1人無料」のアイデアは、全員に2%割引と同じ負担で、効果は後者のほうが大きいというのは面白い。「会計」を学ぶのは、どうすれば物事を的確に捉えて損得判断・将来設計ができるかなんだそうだ。

年収100万円で楽しく幸せに生活する本

年収100万円で楽しく幸せに生活する本

  • 作者: 実藤 秀志 出版社/メーカー: 経済界 発売日: 2002/02
  • 毎週がゴールデンウィーク。 逆転の発想を。・定期借地権・リスクコントロール(予防 軽減 分散 回避) ・保険設計の専門的な話もあるが、要は他人と比較する必要はなく、友人たちや仲間たちと。気の合う人との会話と円満な家庭の構築で、生きがいを持つことということらしい。言っていることはGOODだが、何かアンバランスです。
人は見た目が9割

×作者: 竹内 一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/10

  • 参考文献をそれぞれ読んだほうがいいですね。しかし、かなり版を重ねているのを見ると、常識に逆説的なタイトルがいかに面白がられて受けるか、ということがわかって興味深い。
  
30代で頭をよくする一番いい方法―それは、この「1カ月」で実現する!

30代で頭をよくする一番いい方法―それは、この「1カ月」で実現する! 

  • 作者: 和田 秀樹 出版社/メーカー: 三笠書房 発売日: 2005/10
  • 自分の推論の正否のチェック。脱「単眼思考」。記憶術。頭のペースを高める始めと終わり。集中するフロー状態などなど。これもまぁ、20代でいた人がこれまでの勢いではできなくなることがありますよ、という、残念ながら30代をもう過ぎ去ろうとしている者には今さら、という感じがするんであります。

本当の幸せに出会うスピリチュアル処方箋

本当の幸せに出会うスピリチュアル処方箋

  • 作者: 江原 啓之 出版社/メーカー: 三笠書房 発売日: 2005/01
  • 本書は、場面場面から引用しやすく辞書のように使いやすいのではないか。経験と、いつも試されている、信じる心が自信を支え、勇気がそれを育てる。チャンスは打算的な関係からでなく、本当の絆から。経験で知恵を培い、感動で魂の成長を得る。喜びの心・笑顔の力。ままならないことで成長。人目を気にしない。高い理想と試練。
  •  
40歳を過ぎたら、好きなことをやれ!―生き方、死に方の人間学

40歳を過ぎたら、好きなことをやれ!―生き方、死に方の人間学

  • 作者: 今泉 正顕   三笠書房  発売日: 1998/10
  • 40ー50代は人生の季節では秋、収穫の時期。 「それがしの1日でござれば、お心遣い無用」これが生きがいか。理想を失うとき初めて老いる。「租にして野だが 卑ではない」 縁深い土地のご出身の方ということで読ませていただいた。 
プロセス指向心理学

プロセス指向心理学

  • 作者: アーノルド ミンデル 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 1996/06
  • 学生の訳が下訳だから?か読みにくいのだが、それを差し引いても、臨床心理学の限界がここに極まれりという脱力感を漂わせているのではないでしょうか。僕が難しい本が読めなくなっただけなのかも・・・

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「明日への扉」川嶋あい [本のこと]

◇週末に運転した車中でも話題になったのだが、金スマの川嶋あいさんのドキュメントに感動した。そのストーリー(施設で育つ・養父の早すぎる死・応援してくれた養母の死・事務所をくびになった後の路上1000回ライブ・境遇を隠していたこと・育ててくれた先生との再会・望まれた生であったことがわかったこと)。僕も何故かたまたま見てすなおに感動した。今どきそんな演歌的な!(なぜ、演歌かといわれれば、それが演歌なのだ。気持ちで歌う・心で歌うのが演歌だ。演歌の範囲は限りなく広いんだ) どうもあの あいのりの歌は、声の美しさ・張りもさることながら、気力というか底力みたいのがあると感じていたが、そんな背景から出されていたのか。辛かっただろうに、お母さんがなくなった直後 いちばん切ない時期に作ったその「明日への扉」はすごい!まったく、どうして、よもやの、不意打ちをくらったような感動であった。BBSへの反響の凄さ といったら!⇒ http://www.kawashimaai.com/  若い人の親への感謝や、ふだんの日々を送れる幸せなど語られているのが嬉しい。お母さんたちへの感謝の歌。

  HPより

・・・ありがとう...

・・・ありがとう...

  • アーティスト: 川嶋あい, ieP, KOUHEI, 田辺恵二, 長澤孝志, 押越雪彦
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント 発売日: 2005/08/24
◆「登山の医学ハンドブック」 日本登山医学研究会 (編集), 松林 公蔵 :山で体をこわさないようにするための医学知識、登山中に必要な救急処置法、疾病をもっている人の登山における注意などをまとめる。医師・登山愛好者のための安全確保の道しるべ。
1 登山医学概論―山で体をこわさないために 普段のトレーニング ぼんやり・うっかりしない してはならないことしない 凍傷は100%予防の問題 特に手足の指先 靴ずれは傷む部分に大きめの柔らかい布絆創膏をじかに貼り、間にガーゼは挟まない。 体調を崩さないために 服装・風邪の予防・体温の保持。
2 登山中に起こり得る症状 ・非特異的症状 発熱 悪寒がやむと熱感をおぼえるので解熱に努める 風邪系・消化器疾患系が多い。倦怠感 疲労と脱力 急性高山病も。食欲不振はたいがい起こる。吐き気・胸やけ・嘔吐を伴うことも。浮腫(むくみ) 顔面と下肢両方ある場合心臓・腎臓に病変も。・呼吸器系の症状 咳は1時間に125kcalを消費。乾燥した冷気・埃・耳鼻疾患・気管支喘息も。分泌物=痰多い場合、特にピンク色は肺水腫を疑う。・循環器系の疾患 持続時間長い胸痛は心筋梗塞も。大部分は非循環器系で緊急性はないが重症度をよく判断。鎮痛解熱薬。狭心症ニトロ対処。動悸を訴える人にショックや心不全の徴候あるいは意識低下あるときは救急搬送も。不整脈の場合、鎖骨の上あたりを圧迫。気坐呼吸。乏尿。 ・消化器系の症状 腹痛は急性胃腸炎など。下痢・悪心・嘔吐。吐血・血便。神経系の症状 脳・脊髄・末梢神経・筋肉の異常。外相と疲労・脱水など全身的症状によるもの。意識障害・運動失調・行動異常・睡眠障害・頭痛は頭蓋に異常ないか、持続性に注意。運動麻痺。感覚障害・けいれん発作。背景に重篤な要因があると推定されるので下山させた方がいい。 ・整形外科的症状 関節痛 運動痛か変形か。乳酸の過剰。ウォームアップの大切さ。
3 登山中に発病し得る疾患 ・非外傷性疾患 呼吸器系の症状 高所性・感染性は肺水腫を起こしやすい・アレルギー性 過換気症候 ・循環器系の疾患 急性心筋梗塞。搬送中も心肺蘇生ケア。脳卒中 口がもつれる。中高年で発生多い。横寝。鎮静剤。酸素。・消化器系の症状 感染症 経口摂取 食欲不振以外は要搬送。・神経系の症状 脳溢血(麻痺・複視・嚥下障害・視力消失) 高所では脳卒中増加。くも膜下出血は激しい頭痛を伴うがしばしば一過性。脳炎。これらは絶対安静を保ち、意識障害に対しては気道確保・換気の促進・保温の応急処置を。発熱には解熱剤。口内温度40度・頭痛にはアスピリンを4時間おき。・内分泌系疾患 糖尿病 脱水になりやすく血糖値が濃縮されて血糖が上昇。運動不足・肥満。高所での体液バランスの変化。利尿状態で塩分を喪失し脱水傾向に。インスリン量コントロール困難になり、意識障害・発作あり。・腎臓疾患 はげしい筋肉痛・四肢の脱力。急性腎不全。・アレルギー性疾患 気管支喘息 花粉症 マスク・ゴーグル 2-3月スギ、5-7月イネ科雑草、8-10月ブタクサ。歯科的疾患 炎症が起きて酸性になっている口内をアルカリ性(重曹)で中和 冠の脱離 ・外傷性疾患 骨折・整形外科的症状 脱臼 安静のために固定が大事なので躊躇なく愛護的に。・火傷 脱がせる前にとにかく冷却。20-30分。感染防止に水泡は破らない。・頭頚部外傷 意識障害は重症。少しでも早く搬送。意識がすぐに回復し嘔吐や麻痺もない脳震盪は心配ない。頚椎損傷時は頭頚部を真っ直ぐに保持。胸部外傷。腹部外傷。創傷は創を洗浄して抗生物質入り軟膏塗り、ガーゼで圧迫包帯・冷却。切断指は氷りで保管して24時間内に縫合可能。
3 環境要因による疾病 凍傷 温湯による融解! 低体温 乾燥衣服に着替えさせて温かい場所に。熱中症 熱けいれん。高山病にはアスピリン経口投与。新ア朴数120以上で重症。紫外線障害 UVBの遮光。3000mで平地の50%増、雪面で80-95%増。咬傷・刺傷 感染症が最も心配され、毒素を吸出し、石鹸で洗ってウイスキーなどで徹底的に消毒。頚が最も危険。毒蛇。 
4 疾病をもっている人の登山における注意 高血圧 喘息 睡眠時無呼吸。 睡眠薬は2500m以上で多用すると低酸素状態に。胃・十二指腸潰瘍はストレスを避ける。穀物や脂肪中心の食事へ。・虚血性心疾患 心筋への血液供給減少ゆえ登山禁忌。高コレステロール。脳卒中後遺症 血液の粘り気。腎臓病。手術後の登山はハンディキャップをふまえて注意深く。癌。高齢者 一定負荷で急激に衰弱しやすい。何らかの慢性疾患ある。身体に異常をきたすと連鎖しやすい。妊婦 メリットも。転倒防止。低酸素忌避。小児疾患 長さに注意。生理対策をこまめに。小学生はまだ持久力・筋力の体得時期でない。水分多く。自律神経失調。集団登山 靴ずれ・落石・落雷・気管支喘息 車酔い!
5 登山中に必要な救急処置法 人工呼吸 年に1-2回の練習を。呼吸停止から5分間が勝負。睡眠中のひどいいびきなどに注意。鼻つまんで吹き込む。・止血法 。ショックに対する処置。四肢が氷のように冷たくなるとき重症。身体を暖めて気道を確保・酸素投与。ギプス固定。
6 登山に携行したほうがよい医療器材と医薬品 体温計 内服液の有効期限は通常2年間。・漢方薬 柴苓湯 五苓散(高山病の予防)、芍薬甘草湯(けいれん)
7 登山における栄養をめぐる諸問題 エネルギー消費量・脱水量が意外に多いことに注意。炭水化物が最も重要。1時間・体重1kgあたり5mlの水分補給を。高所では、長期間なのでビタミンミネラルを錠剤で補う。水分は4-6l。
8 ヒマラヤ高所医学 低酸素。ふつうの人は4000mまでか。寒さ。乾草・脱水。日射・紫外線・宇宙線。急性高山病(肺水腫 痰のない咳 泡状の痰 血痰 ごろごろした呼吸音 300m降下させても効果あり、脳浮腫 脳の低酸素上痛い。点状の出欠も。肺水腫と併発多い 加圧バッグ 頭痛に対してはバファリンを。白馬でも。ただちに下降。・海外トレッキング 旅行保険 日程に余裕を。現地での医療施設情報収集。時差への対応。宿泊場所。飲食物。ヨードによる殺菌。服装。水浴び忌避。+軽症対策 急速 簡単な対症療法薬の投与 +重症対策 下山 できるだけ動かさないほうがいよいが、自力下山がやむをえない場合も多い 間に合わせたい策 仰臥位より気坐位 酸素補給 デキサメサゾン ニフェジピン ガモフバッグ +予防概論 低圧室でのトレーニング 有酸素性トレーニング 炭水化物と合わせて、低酸素ストレスへの耐性を高め、活性酸素による影響を予防するため、抗酸化物質のビタミンC Eを多めに摂取。体液貯留防止のため水分補給。「トレーニングなしに登山遠征に参加することは無責任といわざるを得ない」(メスナー) ~ゆっくり登高する(1日300m)
 アルコールによる酩酊は脱水をもtらして脳浮腫の一因となる。禁止するシェルパの格言さえある。喫煙は、吸入する一酸化炭素がヘモグロビンと親和性が酸素の600倍もあって急減させてしまう。
登山の医学ハンドブック

登山の医学ハンドブック

  • 作者: 松林 公蔵
  • 出版社/メーカー: 杏林書院
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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「山の自然学」「日本の山はなぜ美しい [本のこと]

◇昨日は新宿で業務報告後、錦糸町で尺八レッスン。個人レッスンとなって、かつ「あんたのバラード」「GIRL」「あずさ2号」と快調に飛ばした。J・レノン「I WANT YOU」の奥深さに感動。それからちんたら築地に出て もりさかさんと面会。僕も多少出資している会社が伸び盛りとか。今後お仕事かも。ふじい さんも合わせて焼き鳥でいっぱい。いいなーこういうの。

◆さて小泉 武栄さんもの2冊。「山の自然学」 日本の山って!  コマクサと砂礫地。山の自然学とは植物分布や地形・地質・動植物・昆虫など全部ひっくるめてあるがままに把握しようという欲張った楽しい学問分野! 個別の学問分野では全てを説明不足になりがち。 北から南まで特徴ある各地域の山々をとりあげて登山路から見える風景・植物を解説した自然学入門。「日本の山はなぜ美しい」。日本の山はこんなに多彩で面白い! 
1 氷河時代の植物群― 礼文島 1万年前までの氷河期。東ヌプカウシヌプリ(十勝平野北外れ)生態系全体が氷河期の生き残りと見られる。そうした残存(レリック)は房総半島や五日市、鳥取でも見られる。氷河時代といっても温帯や熱帯ではそれほど寒くなかった。 
2 火山と永久凍土―大雪山 溶岩台地 日本最大の高山帯 風衝草原 永久凍土20m と活動層  地面の模様・構造土・亀甲土 融解湖
3 端正な氷河地形と豊かな高山植物―日高山脈 太平洋側で(かつ日本海が湖で)積雪少なくカール発達せず。お花畑が美しい幌尻岳・戸蔦別岳 崖錐。
4 ブナ林が貴重である理由―白神山地・真昼山地 サハリンなき後の伐採 3千年前の林だが、北米・欧州では大陸氷河の拡大による消滅で植物相が単純になり、原型をとどめる貴重な林になった。地すべり地に独特の植物も。
森林限界がなぜ低いか―早池峰山 かんらん岩の基盤が氷河時代に凍結破砕されてできた「岩塊斜面」のせい。下限が1300mまであって針葉樹が入り込めない。「垂直分布帯」600mまで常緑広葉樹林帯(カシ・シイ)。1600mまで「落葉広葉樹林帯」(ブナ・ミズナラ)。針葉樹林帯(シラビソ・オオシラビソ・コメツガ)。森林限界・高山帯・ハイマツ帯(珍しい ホシガラスのおかげ?)。日本アルプスの森林限界はアフリカと並んで1000m以上低い。かんらん岩と蛇紋岩(アルカリ性強い)は特異な植物が分布する(エーデルワイス・ハヤチネウスユキソウ)。さらに積雪少なく高茎草原(トリカブトなど)も。至仏山の粘土質性。6 コマクサと樹林と湿原と―岩手山・八幡平 火山性砂礫地が1300mまで。焼け走り溶岩流 雪窪 千沼ケ原 湿原環境(多雪 泥炭 湿潤) 4/8/12千年前に堆積が始まっているのは日本海の海況によるものか。7 残雪そして偽高山帯―月山・飯豊山・鳥海山 残雪のある山は少数。世界一の多雪・強風。雪庇・雪崩。氷河とは違う万年雪。残雪は植生や地形にさまざまな影響を与える。消雪とチシマザサ。砂礫地は雪窪へ。亜高山の針葉樹がなく低木が優占して景観上高山帯によく似る。9-4千年前に一度針葉樹は絶滅し、その後復活したが多雪山地では遅れた。8 雪崩がつくる滑り台―谷川岳・御神楽岳・越後三山 クラ・嵓 アバランチシュート 岩屑がヤスリに。風化に強い硬い岩石。石英閃緑岩。中盤に断層が。
9 湿原と自然保護―尾瀬ヶ原・戦場ヶ原 ミズバショウ 湿原前は沖積低地だったが8千年前から雪が増えて泥炭が堆積し始めた。現在厚い所で5-6m。拠水林。電源開発の危機。乾燥化危機。9 風食地形と植物相―平標山・羽後朝日岳 強風が作り出す風食地形 世界的にとても珍しい ジェット気流の収斂 階段状 パッチ状 植生の遷移。 11 特異な地形が生み出す植物群 妙義山。清澄山 数百年前に噴出した火山の堆積物(火山角礫岩 凝灰角礫岩 安山岩質溶岩) 水流には弱いが風に強い。変わった植物の分布も。ヒメコマツ。12 丹沢山・三頭山 湘南排気ガス・酸性雨か。若木が育たない。温暖な気候に育たないのか。13 新しい火山のために 富士山・浅間山 火山活動は5-6千年前からで中止・侵食はまだ1000年たらず。針葉樹林帯は300年ほど。貧栄養ゆえに大きく育たない。溶岩樹型。スラッシュ雪崩。1707年宝永山。1783年浅間山大噴火。鬼押し出しの溶岩上でもやっと植生が。 14 縞枯れ現象の不思議 八ヶ岳 南・北(天狗)・南(硫黄岳)・北(横)の順 小雪でトウヒ属を残存させている 枯れ・日光・土壌乾燥で帯が上昇(年に1.7m) 土地の安定条件も 大菩薩嶺 岩塊斜面に針葉樹林(ネズコ)成立。15 二重になった山稜 雪倉岳 中小の断層を境にして山体がずれることによってできる。線状凹地・舟窪。氷河の消滅も原因か。植皮階上土。粘板岩。蝶ケ岳・間ノ岳。16 高山植物の女王コマクサ 白馬岳・蓮華岳 白い色をした乾燥した砂礫地 流紋岩 凍結破砕作用と風化しやすい性質 条線土 草地と礫地のサイクル コマクサは東北日本では新しい火山に限られる カムチャッカ・千島がルーツか。 17 強風 多雪 大雪渓 剣岳 立山 薬師岳 氷帽 氷食尖鋒 窓(鞍部)とU字谷 モレーンの丘 カール(圏谷) ルントヘッカー モレーン(堆積物の丘) 18 崖錐の植物 穂高岳・槍ヶ岳 上部の岩から崩落してきた岩屑が堆積 安息角35度 植物は簡単に根をはれない 鋭く尖ったやせた尾根(アレート) 5-6万年前の氷期の侵食の強さ(一ノ俣、二ノ俣)19 川が作った森林 上高地 河童橋から上流のケショウヤナギなどの広葉樹は破壊の繰り返しによって維持される 岳沢出合のカラマツの大木 対して砂防ダムの建設 20 岩石の割れ目とお花畑 中ア ヒメウスユキソウは木曽駒の固有種 巨大な岩塊かズタズタの砂礫か=岩石の節理密度 南だけのタカネヒカゲ 21 お花畑が見事な理由 南ア 稜線付近の丈の低い乾性のお花畑(風衝草原)と森林限界以下の亜高山帯や高山帯の風下の草丈の高いやや湿性のお花畑(高茎草原) キタダケソウ 花崗岩とは別に、四万十層群(堆積岩 砂岩 泥岩 頁岩 粘板岩 チャートと変成岩 結晶片岩 緑泥片岩 千枚岩) 移動して交じり合うと表土が安定して通気性・保水性が良くなる 温暖化によって針葉樹の増進も 石灰岩(1億3千年前の南太平洋のサンゴ礁)の八本歯コル オベリスク 花崗岩は風化しやすい 割れ目が1mの間隔で入る 22 大地の造形=構造土 白山 地表面にある砂礫が凍結・融解の繰り返しによる古いわけを受けて作り出される 本場は北極圏のツンドラ 残雪地跡にできるうろこ状の植皮階状土と、強風地にできるソリフラクションローブ アースハンモック(まんじゅう型 芝塚)階上土 23 江戸時代からの花の名所 鈴鹿山脈 伊吹山 本州の最も幅の狭いところで通路になり易く豊かな植物相 石灰岩 多雪 24 四国山脈の森林と高山植物 石鎚山 東赤石山 南限の亜高山針葉樹林帯 石鎚山が最後 日本海型のブナ林(多雪多雨で林床が乾燥しない cf.天城山) 氷期に避難か。cf.大山  銅山越えのツガザクラ 亜高山帯のない山 屋久島と九州 桜島などの巨大噴火 祖母山などの巨大な花崗岩の山 阿蘇の広々とした草原 縄文前期の温暖期に針葉樹衰退か あとがき 自然の仕組み

山の自然学

山の自然学

  • 作者: 小泉 武栄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1998/01
  • メディア: 新書

 ◆「日本の山はなぜ美しい―山の自然学への招待」小泉 武栄 (著) 「山の自然学入門」の姉妹編。山は人を生き生きさせ、謙虚にさせる。
第1部 高山帯の多様性 1 高山帯との出会い 雪倉岳 「日本山岳研究」(今西錦司)「日本アルプスの自然」の山岳学 2 高山帯の自然景観 木曽駒 レバノン山脈との共通 アンデス山脈 ヨーロッパアルプス(石灰岩) アラスカ チベット・崑崙山脈 ハリスゲ 永久凍土 ヒマラヤ。日本アルプスのようなさまざまな植物群落や地形が同じ高度にモザイク上に表れる山地はない。3 高山帯とは何を指すのか ハイマツ帯は亜高山帯へ。クルムホルツ帯(低木帯)や高山帯でなく。ハイマツ群落は千島・カムチャッカから、強風や多雪・岩塊斜面にも適応できるよう独自の発達をしてきたのかもしれない。~4 木曾駒ヶ岳のモザイク状の自然景観は、どのようにしてできあがったか フンボルトの南米での研究 季節変化がないペルー・ボリビアなどの場所では成帯性の乱れは起こりにくい ∽気温 積雪分布と融雪パターン 山頂現象と強風 第2部 高山帯のダイナミズム 5 寒冷地形談話会 6 第二のテーマ、地質と植物の関係を追って 両者は単純でないが、対応する すなわち岩屑の移動と植物群落 小礫やマトリックス(砂や泥の充填物質)を豊富に含むと凍土とソリフラクションの作用を受けやすくするが、根を張りやすい 7 ふたたび木曾山脈へ 山の地質とプレートテクニクス フォッサマグナはプレートの境界 節理(割れ目)密度の高いところで岩屑生産が行われている 岩塊斜面は斜面物質を安定させ、花崗岩の風化してできた砂礫・土壌が岩塊の隙間に詰まり、それがハイマツの発芽の場を提供した。全国各地の山を調べる 第3部 高山帯の自然史 9 高山帯の斜面発達と植物群落 山地斜面の形成期 風化皮膜7mm 薬師岳 白馬三国境 10 山の研究と自然史、そして自然保護 氷河時代や気候変化の影響は予想以上に残っている 第四紀(200万年前から現在まで) 年に2mmの隆起で100万年 隆起に残されたものが盆地に(松本・奈良) 落ち武者のように北極からさまよってきた高山植物 工事のための工事!? 自然についての関心 金権体質 レンジャー コマクサは氷河時代を背景にした一種の化石植物 地味で迫力にっ欠けるかもしれないが、垂直分布帯がよく発達しているし、谷には水が豊富 植物相・植物群落が豊か 複雑 決め細やかさなどの伝統的な自然観も 年較差の大きい気候 新規の造山運動による、凍結融解作用で岩屑を供給したり、安定した粗大な岩塊斜面を作り出す。

日本の山はなぜ美しい―山の自然学への招待

日本の山はなぜ美しい―山の自然学への招待

  • 作者: 小泉 武栄
  • 出版社/メーカー: 古今書院 発売日: 1993/09


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「マンガは哲学する」「これでいいのか、にっぽんのうた」 [本のこと]

◇この週末はやっとゆっくりできた。一週間、1日おいて3山行はしんどい。◇女房が福岡の結婚式に出席するということで航空券を手配した。往復4万円ってそんなものか。2日前になって・・・ずっと前から分かっていて早割りってあるのになぁ。◇このごろスイス・ドイツ・北欧のデザイン・ムーミンといったソフトが面白そう。興味が湧いている。スペイン・ラテン系と「真逆」かもしれないが、温かく人間的なところとどこか心地よい合理的なところがいい。◇最近の読書録。エラスムス、金子光晴、細川亮太氏の著作が読みたいが何時になることやら。

◆「マンガは哲学する」 永井 均 (著) :名作マンガを哲学する!!人間を鋭く考察! 狂気。 友人さいとう君の薦めで読みました。千葉大の恩師だったのですか?手塚治虫・赤塚不二夫・吉田戦車や楳図かずおといったマンガのすごみを再認識させられる。なるほど思えば、僕たちはそうした良質な漫画を通して(難しく考えればきりのない)哲学の一端に触れてきていたのかもしれない(楳図かずおは本当に恐かった)。掲載漫画:藤子F不二雄「気楽に殺ろうよ」他SF、吉田戦車「伝染るんです」、諸星大二郎「感情のある風景」「夢みる機械」「子供の遊び」、福本伸行「カイジ」、萩尾望都「半神」「A-A'」、士郎正宗「攻殻機動隊」、高橋葉介「壜の中」「夢」、佐々木淳子「Who!」、楳図かずお「漂流教室」「わたしは真悟」、松本大洋「鉄コン筋クリート」、永井豪「霧の扉」「デビルマン」、しりあがり寿「真夜中の弥次さん喜多さん」、業田義家「自虐の詩」、坂口尚「あっかんべェ一休」、つげ義春「無能の人」、岩明均「寄生獣」などなど。第一章 意味と無意味 語りえぬものについては沈黙しなければならない 第二章 私とは誰か 私は二人いる 今は俺だ 第三章 夢-世界の真相 現実の客観性 現実は映像か? 第四章 時間 第五章 子どもと死 第六章人生の意味 第七章 存在の意味 「哲学とは哲学的な人が本来のまともな人のいる場所に帰ろうとする運動(小さなことが深淵を作出)」「哲学はほかに誰もその存在を感知しない問題を一人で感知し、誰も知らない対立の一方の側に一人で立って一人で闘うこと。この戦いの過程や結果は既に存在している問題に対する答えの一種と誤解されやすいが(あとがき)」

マンガは哲学する

マンガは哲学する

  • 作者: 永井 均
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 文庫

◆「これでいいのか、にっぽんのうた」 藍川 由美 著:出版楽譜は誤植だらけ、詩は勝手に改竄され、歌手の発音もデタラメ。自国の歌に対してこれほど無神経、無責任な国があるだろうか。本書中、主にだめな点は、楽譜の間違い、日本語の発音の表記などについてで、プロの歌い手ならではの視点からの問題点である。また、日常会話と歌の発音は同列に論じられるものではなく、歌においては独自の発音、発声法があってしかるべきである、という。題名からすると、物足りなく感じるのは、それだけ多くの問題があるように思われるからであろう。「演歌のススメ」のほうがやはり改善されていて楽しく読めたなぁ。第1章 近代日本の歌の歩み(洋楽のあけぼの 黎明期の唱歌 替え歌としての「翻訳唱歌」 ほか) 昭和初期の船頭小唄・東京音頭や波浮の港などの新民謡ブームは文明開化以来のねじれ現象を撥ね退けようとする民衆のとてつもない大逆襲パワー。古関裕而の12平均律音楽に対して古賀政男の12平均律に存在しない音を求めたのであり(ラの場合 日本437、12 440) 、わが民族もそうした音色に醍醐味を感じてきたのではないか。声明の唱法・節回し(マワス ハヌル スカシ ユリ コブシ)
第2章 日本語の発音(谷川雁の填詞 日本語の表記と発音 日本語のローマ字表記 ほか) 日本語を止めて、森有礼は英語を、戦後、志賀直哉はフランス語に、また知識人はローマ字表記にすべしとして「羅馬字会」などがあったらしい。戦後後の 簡略化の動きに批判的に論じられているが、まぁ、中国語・ハングルの有様をみてもいいところに落ち着いていると思うのだが(ピンインは便利だが)、自分が発音の関係ない笛吹きだからだろうか。 第3章 「日本のうた」への疑問(出版楽譜における誤植 作曲者による詩の改作 歌における原詩とは ほか) 古関裕而の評価 五木の子守唄 おわりに 改作・歌詞の削除などの文部省の暴挙は絵画の上に他の色を筆出加えるようなもの 絶対音感への異常な反応 絶対音感教育に効果なし(ドイツ) 「日本のうた」を最も身近な一つの文化としていかに確立して継承していくか。 

これでいいのか、にっぽんのうた

これでいいのか、にっぽんのうた

  • 作者: 藍川 由美
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1998/11
  • メディア: 新書

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遊んだり、送別会 [本のこと]

◇昨日は後輩友人たち 湘南で遊んでもらった。茅ヶ崎のインド料理屋で昼食後、海に出て思わずキャッチボール。その後、カラオケで3時間。18時解散で暗くなるまで。楽しかった。後で、いい年した大人4人がよく昼間から集まれるわねぇ、とあきれられた。◇18時半からスイスPちゃん送別なべ会&新潟ミーティング。前日苦労してスペースを確保したかいがあって楽しい集まりになった。ほどよい頃に沖縄料理店に転戦。蛇味線(サンシン)と夢の(?)コラボレーションで、涙そうそう・花と沖縄ソングを演奏。◇Pちゃんはインターシップで、スイスの会社の日本法人に勤めていたが、大学に戻って3-4年勉強して経営工学の博士号を取るのだという。もう会えないだろうけど、いずれ日本とスイスのかけ橋になってほしいものである。なんてったって日本の山奥の棚田の稲作文化に触れた希少・貴重な欧州人なのだから。◇健康診断結果、血が少ない=貧血らしい。検査のために抜いたからではないか? いややはりお茶飲み過ぎかも。◇さて、図書館で流し読み3冊。

◆「自分に気づき、幸せをつかむスピリチュアル・トレーニング」 2003 評価は高くないが親しみもてる平易な内容。:見えないものを見る力を磨き、より豊かな人生を歩む手がかりをつかむためのスピリチュアル・トレーニングを紹介。5つのレベルを設定し、自分に気づくことで幸せをつかむ方法を教える。序章 霊的感性を磨きましょう。著者お2人は同郷の友人で、その気軽な感じもいい。

自分に気づき、幸せをつかむスピリチュアル・トレーニング

自分に気づき、幸せをつかむスピリチュアル・トレーニング

  • 作者: 池田 辰雄, 小林 信也
  • 出版社/メーカー: 東邦出版
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本

◆対して トホホ?な感じ2冊。「人生が劇的に好転する密教の成功法則」―いつも運が悪い、と嘆いているすべての人に捧げる運命大逆転の秘術 仲島 聖曜 (著) :運が悪い人、開花できない人は幸運を呼び込む自己のエネルギーが不足しているからなのです。でも安心してください。不動明王の力を最大限にいただける「不動観」で、幸福と成功に通じる信じられないパワーを得ることができます。この画期的な瞑想法「不動観」はご自宅など、自分が落ち着ける場所でどなたでも簡単に行なえます。 ~気合・気合で進んで欲望を燃やし尽くせ!って、不動明王は煩悩を断ち切るため怒っているんだかで、そんなイケイケな感じではないんではないでしょうか? 

人生が劇的に好転する密教の成功法則―いつも運が悪い、と嘆いているすべての人に捧げる運命大逆転の秘術
◆「前世と生まれ変わりの超真相」 …この世は特殊な霊界である…    超知ライブラリー コンノケンイチ (著)  夏前に東京駅前の大書店で山積みになっていたのを思い出す。けっこう似たような前著の焼き直しなんですけど「ある結論を得ることができた」!と また言うのがすごい。返す返すも量子物理学との繋がりが魅力的なのだけど、魂の修行の場であるこの世を「獄舎」とか・・・  1+1=2のように解を得るかのような結論がいかにも安い。そして、2013年に何が? 超人? 終末戦争への展開がノストラダムスのG氏並にすごい。ところで引用中、マンデルカー博士のニューエイジ哲学・エイリアン識別法がけっこう僕もあたっているかも?UFO見たことあるしね。 「宇宙人の魂を持つ人々」も一回眺めて、たまにはエッジを歩くのもいいかもしれない。
前世と生まれ変わりの超真相 …この世は特殊な霊界である…

前世と生まれ変わりの超真相 …この世は特殊な霊界である…

  • 作者: コンノケンイチ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2005/03/20
  • メディア: 単行本

宇宙人の魂をもつ人々

宇宙人の魂をもつ人々

  • 作者: 南山 宏, スコット マンデルカー

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「日本アルプスの登山と探検」ウェストン [本のこと]

◇やっと晴れたけれど、 週初めから天気のせいかテンション上がらず、新潟の山の疲れかなぁ。自分が思っているほど若くないのかもしれない・・・昨日、健康診断に行ったら呼吸数が毎分10回前後と極めて少ないらしい。秋半ばにして早くも冬眠体質が現れたのか。体重は減ってきている。忙しくなりそうだから防衛本能かも。◇夕方、図書館に行って、夜は自然食品店の模様替えをお手伝いした。夜はヨモギ風呂に入って読書。天気好転とともに動ける。

◆さて、読み溜めている本の感想をつらつらと。「日本アルプスの登山と探検」 岩波文庫 ウェストン(著), 青木 枝朗 1896年刊:日本の近代登山の古典。「日本アルプスを世界に紹介して,日本アルプスの父といわれるイギリス人登山家ウェストン(1861-1940)の日本滞在中の登山記録.槍ヶ岳,乗鞍岳,立山,穂高岳,御岳などへの登山や周辺地域の民俗がユーモアにみちた文章でつづる。日本の登山の先駆者たちもこの書物によって近代登山に開眼したという.」 ウェストン初著。コンウェイ卿<英山岳会会長>の縦走主義登山("the alps from end to end" =65日 100マイル 従来の放射線状登山に対するもの)  の影響を受けたか。すでに読んだ同系統の本2冊を考えるとこの本を最初に読むべきだったかもしれないが、間違った英文広告など 面白可笑しく誇張されながらも、とにかく、「近代化・西洋化」された者(つまり現代日本)の観点から100年前の日本の描写が面白りゃーて。つまり、「子供のように 自意識に欠ける」日本人の陽気な異常なおしゃべり。「時は、お金ほど評価されていないので正確と迅速を期待してはいけない」宅配郵便。足を汚しているのに 見舞いの礼にベッドに正座する老婆。火箸で炭火をつまみ上げて 無表情に自分の足の傷にジュッと傷口に押し付ける人力車夫。「人々は裕福そうに見えなかったが、礼によって極めて礼儀正しく、はるばるやってきた甲斐があるような気がした」(糸魚川にて)と、 ウェストンはこの文明化されていない日本の山間の人々について、君子・紳士の国の美称がまことに適切であると、とても気に入っていたらしく、何度も繰り返して記している。産業革命で殺伐として、西洋にすでに消失した情緒を懐かしんだのかもしれない。◇中でも、前宣教師という経歴からか宗教習俗について興味を示している。中国 インドの流れを引く、巡礼登山の代表として木曽御嶽を興味深いものとして挙げているが、「日本人はほとんど例外なく山の中腹や谷間の最も美しいところに神道の社殿などの礼拝の場所を人間と超越的なものが出会う場所として選び」、滝行する巡礼を篤信の人と見て 旧約聖書詩篇 「誰か神の丘を登らん」のダビデの言葉を思い出す。僕も今夏、御嶽山中でイギリスの軍人だという 一行に逢ったが、今でも外国人(イギリス人?)に人気があるらしい。僕らがチベットの鳥葬をみるかのごとき興味なんであろうか。その他にも、「眠っている人無理に起こすことを忌む (魂が外に出ているので 急に起こすと障るから)」習慣、密教の「奇妙な儀式」について 空海の教義とヨガの体系の類似性(宇宙に遍在する霊と 忘我のうちに交わる)を、「規則に従って習得される自己催眠の方法による精神的向上」と20C初頭の人らしい解説をしている。狐つきなどの現象について、 ウェスコット僧正「原始的な悪魔崇拝の中にすら、人は友好的な関係を維持したい性質があるだろう」一定の距離を置きながら理解を示し?つつ、降神会(セアンス)も見学してその有様にキリスト教徒として 疑問を呈している。それにしてもイギリスの神霊学はそのころから大いに発展しているらしいのだが。思うに、現代はその西欧でも当時のキリスト教至上ではすでになくなった 昨年、「どうも仏教の方が優れているらしいことに多くの人が気づいている。」とも聞いた。100年後、私たちの今の知見はどう評されるのだろう。◇さて、ウェストン個人の活動の背景について、青木枝朗氏がわかりやすく解説されている。いわく、「17C以来、上流階級の子弟教育の仕上げとして大陸旅行に出す習慣があり、イタリアの風光明媚さ・ローマ遺跡の壮大さと並んでアルプスの雄大な景観が最大の収穫とされ、それに端を発スイスアルプスにおけるイギリス人の登山活動が始まった。そして19C、 ワーズワース バイロン シェリーといったロマン派詩人が歌い上げ、産業革命で台頭した中産階級が続き、アルプスの主峰39座のうちマッターホルン以下31座がイギリス人によって初登されるまでになった。ウェストンはマッターホルンに登り、アイガー・ユングフラウに失敗後(後に成功)、1888年 キリスト教教会の宣教に来日したが 日本の中部山岳地域に魅せられ、宣教師を辞して山への探検に取り組むことになったというわけである。

日本アルプスの登山と探検

日本アルプスの登山と探検

  • 作者: 青木 枝朗, ウェストン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 文庫
  •  兵庫 能福寺大仏 (本書より)
  • 兵庫の大仏つぁんとして内外に親しまれたが戦時中金属供出令により、解体された。眉間に照明が埋め込まれ、そのアイデアをウェストンが和洋折衷として讃している。

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「スピリチュアル」な本 [本のこと]

◇音楽ファイルがいっぱいになってきてパソコンの容量を圧迫してきた。ちまちま削除してもいいのだけど、とりあえず移すのにDVDを20枚くらい調達してきたのだが、上手くできない。パソコンが古いらしい(泣)。◇チューナーで、手元にある尺八4本で童謡を吹いて音程を確かめていたら、予想どおりけっこうバラバラ。①出すのが簡単なはずの「レ」でさえロツを吹いた後などで下がり目になるし、②笛によってはチや人が低め。③メツも親指をもう少しかざさないと高め、などなど。来月のお遍路ツアーに尺八持ってきてね と言われたけど、他人様にお聞かせするとしたらほんとうに大変。明日はそんな尺八の超プロの演奏を近くなので聞けそうなので楽しみ。

◆「スピリチュアルな人生に目覚めるために」 江原 啓之著 江原氏39歳のときの著 心の乱世 人生の目的はたましいの成長 すべては偶然でなく必然 相談者との戦い?はすごい 米「スピリチュアリズム=叡智」とおもゆ 低級な自然霊の世界的な増加 無機質な波長の人間への憑依 ドリンスコリンズ 人生の地図の8つの法則(霊魂 階層 類魂 波長 守護 因果 運命 幸福) それらの日常への表れ方は複雑 行い・言葉・思考も。否定的感情(こだわり 執着 妬み 後悔 恐れ)を手放すこと 霊界と現世の食い違い(幸せとは?) 霊的真理とは空気のようなものだから感性でしか分からない 宗教(ドグマ)の虚しさ 佐藤愛子氏との対談:闇を直視して、抑制するよりもそれを理解してたましいを目覚め・向上させることが大事  「学び」のための尊い犠牲 未浄化霊の危険 目覚めずしてやっていることに罪ないが目覚めたらやめなさい 霊界を意識しつつ現世を行きぬくこと。おざなりの対談のようでなく、けっこうやり合っているのが面白い。
 

スピリチュアルな人生に目覚めるために―心に「人生の地図」を持つ

スピリチュアルな人生に目覚めるために―心に「人生の地図」を持つ

  • 作者: 江原 啓之
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫

◆「スピリチュアル・エッセンスズ」江原著 人生という限りあるたびを充実させるために「名所」をまわる すなわち、人生の目的に沿った経験=大我の愛を知ることにつながるあらゆる「経験」 つつがなく、ではなく、喜怒哀楽・真善美に触れて得る「感動」が人生の充実 物質主義的価値観と葛藤し乗り越える経験 適職と天職 仕事があるのは人間関係のため? 内観のひとときを持ち、波長を高くしていること、行いの価値を決めるのは「動機」 神とは身近にいる人たち 神我~救世主 人間は無智と弱さからそもそも傲慢。スポーツは肉体と幽体をつなぎ体内のエネルギーを目覚めさせる。懐かしさを感じる縁を大切に 10年先。憎しみを感じたら謝る。自惚れてはならず、卑下してもいけない、ってけっこうむずかしいなぁ。でも本当に江原さんの著書はわかりやすく矛盾(個人的にですが)が(少)ないように思えるのです。

スピリチュアル・エッセンス あなたの人生を導く言霊集

スピリチュアル・エッセンス あなたの人生を導く言霊集

  • 作者: 江原 啓之
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/06/23
  • メディア: 単行本

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低血圧 「道元日々の生き方」 [本のこと]

◇もう9月も終わり。明日からは稲刈りに出かける。本ブログも2月から150記事!200日くらいで150かな。1日のアクセス数も何十と、けっこうコンスタントにいただいている。◇ところで、夏過ぎて最近、低血圧なんではないかと思う(ふつうは梅雨時から夏には発症しやすいらしいが)。むかしひどかったときに買った血圧計だと100のちょっと上を推移している。これといった治療はないらしいが 気分よくない。改善法といえば、なるべく朝型生活にして。目覚めのシャワー、規則正しい・バランスのとれた食事、鉄分の多い食事(レバー・うなぎ・かつお・牡蠣)なんだそうで、一昨日レバーを食べ損ねたのが悔やまれる。しかし、何より適度な運動が必要のようで、週末に偏った過激な運動していることについてはどこかでバランスをとらないようにしないといけないとは自覚しているんであるが。家でできるストレッチ・体操や散歩ですね。なかなか平易に暮らすのもたいへんだ。

◆「道元日々の生き方」 佐藤達全著  2001年 第1章 道元の生涯と日常の教え(修行と日常生活 誕生から出家 中国における修行 ほか) 飽食の時代 成人病 本来の仏性への目覚めとそれにふさわしい生き方 食べ方と心のあり方 毎日の一挙手一投足 「自覚の宗教」 第2章 典座教訓(調理の意義 典座の仕事の実際 調理の精神 ほか)  文字とは何か 修行とは何か、知的な面だけでなく台所仕事を人格形成のための修業とする 文字の上から真理を追究するのでなく、真理の世界から文字を見ることも忘れてはならない。自分のことでさえ本当はどんな人間かわからないのに他人がどんな人間かわからない。修業僧は優劣ではなく人格完成を目指しているという一点において価値がある。 3つの心構え 対立や執着を離れて大心を持つ。第3章 赴粥飯法(食とは何か 食堂(僧堂)への入り方 食器の並べ方 ほか) 食とは何か あらゆるものの中には法性があるから食にも真如がある。第4章 衆寮箴規  ⇒道元禅師が伝えたかったことは、作法やマナーよりも、人間の生き方ではないだろうか。食・人との関わり方(配慮・感謝)の根本。エネルギーの活用まで。

道元・日々の生きかた―典座教訓・赴粥飯法・衆寮箴規

道元・日々の生きかた―典座教訓・赴粥飯法・衆寮箴規

  • 作者: 佐藤 達全
  • 出版社/メーカー: 大法輪閣
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 単行本

◆「観音経入門」 松原泰道 (著) 1970年 古くて新しい! 一部 今日の愛と勇気と知恵 観る音・音を観る。 自身の大きないのちを観る。蝿の音さえ(宮城道雄) 献花・供養・回向は生者のために。なぜ?全てが始まる。自殺か再起か(カミュ) 諸法と実在=現実と理想を調和させることが妙法蓮華経 観音(自身にある)の理念は慈悲と知恵 巡礼は古人の知恵 七難・三毒・二求(師友) 足るを知る 苦悩の解決は自己規制 二部 もう一人の自分の発見 諸仏が合掌して人間性の開発を願って拝む宗教 七難 火難:怒り・火宅・瞋恚、水難 愛欲の大海、縁起 薄氷を踏む思いで足元を見て高峰を極める 盗難 王難 仏凡同居 自分の中のもう一人の自分 三毒 貪 瞋(じん) 痴(知恵の曇り) 鬼難(怨み・中傷) 感応道交 腹は立てるが怒らない(白隠)~念波観音力 風難(急ぐこと 焦ること) 座って自分を見る時間 スローに 忍耐とは待つこと・考えること「忍ぶことはさらによし」(シッダルタ ヘッセ) 「そこが地獄だ!」(白隠) 思惟とは深く考えること 餓鬼とは永遠の欲求不満 足ることを知らない心情 飢餓仏 運命に作られつつ作っていく 悲しくて楽しい  畜生とは悪業を作り愚痴の多いものが死後に生まれるもの(源信 往生要集) 自分を抑制できない恥じらいと悲しみを持ちつつも念じ続ければ消える(以漸悉令滅)。 私とはこだわる何もない「空じられた存在」 止悪修善 爾時(このとき 私自身)    観音経入門―もう一人の自分の発見

観音経入門―もう一人の自分の発見

  • 作者: 松原 泰道
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 1972/08

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「山歩きの自然学」「山で死なないために」 [本のこと]

◇今日は朝夜・送迎。女房の勤めが夜遅くて朝早いからそれが続くとたまにはしかたない。ぼくのいた会社は二日酔いで遅刻しますとかありだったからのんびりしていた。◇夕飯に昨日買っておいた鶏の胸肉をたまねぎ大豆とともにトマトソースで煮込んでおいた。チリの代わりにまだあるタイみやげのグリーンカレーペーストをいれたら量は少ないのにかなり辛くなった。煮込みに加えるブイヨンの代わりに、こちらはスペインみやげのガーリックスープを使用して在庫一掃。ほかには珍しく売っていた空心菜と安いキャベツとエビくずを炒めてオイスターソース和え。◇尺八の曲目を整理中。昨日、レッスンで先輩受講者が好きな歌を 味わい深く演奏されるのを聞いて少しでもそんなふうにできたらいいな、と。◇後輩ちゃん。試験合格おめでとう!うかると思ってたけどね。僕もそろそろなにか資格がほしく思っているけど、山のガイド資格は今年2回あったチャンスを仕事で受けられなかった。とりあえず関係する本を ちらちら読んでいる。

◆「山歩きの自然学」―日本の山50座の謎を解く 小泉 武栄 (著) ちょうど図書館から借りて見ていて面白いなと思っていた。その後、久しぶりに会った山岳部の後輩が地理学を大学で教えていて、知っているに違いないと思って連絡しようと思っていたら、彼のHPに掲載されていた。このように楽しく各山の地学を学べる本はありそうでなかなかない。これは手元に置いておこうと手に入れた。
山歩きの自然学―日本の山50座の謎を解く

山歩きの自然学―日本の山50座の謎を解く

  • 作者: 小泉 武栄
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
◆「山で死なないために」  朝日文庫 武田文男 (著) :山をめぐる状況が様変わりしている。若者の山離れはますます進み、主役はいま、健康と生きがいを求める中高年層や女性だ。それだけに、一層の安全対策が望まれるが、現実は逆。荒れ果てた登山道、不十分な道標整備に加え、登山道がゴルフ場に化けるなど、環境破壊も進む。山で(そして山が)死なないためにどうすればいいのか。山登り40年の著者ならではの、説得力あふれる現場報告。 1987年18年前の著書である。いかにも朝日的なペシミティックな切り口。たしかに状況は変わらぬ。多少の改善はあるが遅々とした感がある。1 登山界のいま 機械力と山の感動 リングワンデリング(輪形彷徨) 錯覚 人為的 登山には危険がつねにつきまとう  さらに無理をしがち! ファミリー登山の甘え 管理化強化と甘え 訴訟 神経過敏 危険は皆で分け合うものなのにという空気がむかしあったが聖域でなくなった  登山は冒険でなくスポーツ 国立登山スキー学校 ガイド育成で消極的な警告だけでなく積極的な安全確保策を 保険の拡充 山男を教師に 山小屋の発想転換の必要(つめこみが当たり前と思ってほしくない) 静かな登山を  2 遭難現場から 冬山の恐さ 撤退する勇気 下山中安全地帯一歩手前の事故が多い 引率教師の刑事責任 事故報告書 3 遭難と人間 ガイドは死んでもお客は・・・ 雪崩地図 4 ヒマラヤ登山と遭難 トレッキング=ゆっくりした旅 せかせか歩くと高山病にやられる 普段ろくに歩いていない人はへばるから、危険な旅として客の選別を 5 山々と人間たち 山岳部の暴力体質 戦後の軍隊帰り 登山競争 マナー採点 崩壊 森林の荒廃 雷鳥 お花畑 武甲山 6 スキーブームのなかで 農村の変化 白馬 ブームに乗って急ぎすぎた 人工雪崩 歩くスキー 山スキー ⇒よほどの遭難でない限り報道されなくなった 遭難美化? 恐ろしさと尊さ 歩く道に力を入れる時代(中島喜代志氏) 「山死なないために」
山で死なないために

山で死なないために

  • 作者: 武田 文男
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1990/10
  • メディア: 文庫

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「新・花の百名山」田中澄江 [本のこと]

◇久しぶりに新宿に出たけれど また疲れた。まず、南口を左にくだってすぐのパチンコ屋の騒音がいけない。道が細くて人が多いからすれ違うだけでたいへん、かつ駅の中はもっとすごい。外国人も多い。うん十年前の学生時代から比べても 人ごみは一段と激しさを増していて 殺気さえ感じる。ほんとにこんなところに 通勤とかで しょっちゅう来ることがなくて感謝だ。人が集まるだけあって面白いところは多少あるので いくつかの用事を足してきた。ゲウチャイで惣菜でも買って帰ろうかと思ったが、アルタの下で迷ってなかなか見つけられず、夕方も遅くなると電車が込むし、探すのが億劫になって帰ってきてしまった。新宿ラインでは大崎の次、横浜を過ぎると落ち着きが戻るようだ。湘南はのんびりしていていい。

◆「新・花の百名山」 田中澄江(著)  そんなときは山の本でも読んでいる。これは高山植物の大家が著しただけにさすがに楽しくていい本である。田中さん、やはりもうお亡くなりになっていたか・・・ 十数年前、(本の中に記事があるが)「平ケ岳」への登山途中でお会いした。取り巻きの方が「この方をどなたと知る?おそれ多くも花の・・・」と紹介してくださった。あのときすでにもう登るのがたいへんだったのですね。本文中でしきりに花盗っ人を責めていらっしゃる。百名山を見て人々が山の花をとかくたいそうなものとして 愛で初めて盗採を招いたかもしれないが。まぁ、それはそれか。

新・花の百名山

新・花の百名山

  • 作者: 田中 澄江
  • 出版社/メーカー: JTB
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 単行本
 

 

 北信


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